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人が集まる新百合ケ丘の魅力・パワーはどこから来るのか?
川崎市自体が細長く海と山(丘陵)の地形であり、多面性を帯びた地勢、こういう地形はものすごい潜在力を持っています。多摩丘陵の中にイルカ丘陵という地域があり、新百合ケ丘は川崎市麻生区にありながらイルカ丘陵の一部です。多摩区もイルカ丘陵の一部です。イルカ丘陵は東京都や横浜市にまで広がっています。下の地図参考。
出典:http://www.tokainaka.tokyo/area/index.html 多摩川沿いのこのエリア、トカイナカエリア
これはまず日本が海洋国家でありながら、英国のような海洋国家ではなく、すぐ背景に山岳を抱き、なおかつ列島が細長いという地勢が参考になります。海に面する海岸から丘陵まで細長い川崎市の特異な地勢は産業・文化、商業・生活などに影響があると思います。
それゆえ歴史的な時間の中では麻生区と川崎区は共通はありつつ、大きな相違もあり、地域のブランドも異なっているでしょう。
新百合ケ丘の魅力
新百合ケ丘周辺の魅力は、隣接する駅、百合丘⇔新百合ケ丘⇔柿生が歩いて10分しない距離に全く個性の違う街が連なっている所にありそうです。多摩丘陵の中にイルカ丘陵があり、そことも重っている。何回も繰り返しますが、この多面的地勢が新百合丘の魅力をつくっています。
川崎市の農業は都市型農業という言われ方をしますが、この3駅で都会は新百合ケ丘のみです。
柿生の魅力、その田舎性・ローカル性
柿生は田舎・ローカルであること、それが最大の魅力だと言うと、怒られそうです。
実は地域活性化事業などの立案でその土地の強みを盛り込む場合、カッコイイ所や洗練された要素は誰もが反対しないですが、全然弱くて結局埋もれてしまいます。柿生の良さは自然な風景が残っている所で、新百合ケ丘も近く、生活は都会並みの便利さで、柿生の地元に何か求め過ぎるとコスト超過になりそうです。
百合丘の魅力・里山
一方、百合丘はここでは簡単に語ることはできませんが、里山を含む地形に百合丘の魅力全開の可能性もありそうです。
里山って手入れしたりメンテナンスは複雑な要素も多く、立ち向かうには知識やパワーがいるようです。散歩したり鑑賞だけの楽しさとは違い、思いの外、大変です。それだけ大きな存在で関わると愛着もわきます。
里山や森の在り方は学者の間でも意見は別れ、里山は生きていて、いろんな顔があり、いろんな形態があり、メンテナンスの方法もあり、私のように単純に里山ファンでは無責任な接し方しかできないと反省しています。さいわい地元、百合丘・柿生には長年里山に関係されてきた方々がおられ、里山フォーラムとかいろいろ活動も多彩で、心強い限りです。
ここまで地勢学的側面くらいしか話していないですね。
歴史的側面は文化の遺産も含め、住んできた人々の意識の奥まで影響しているので、無視できません。新百合ケ丘のような新しく出来た街は、柿生や岡上、黒川、寺社仏閣や歴史的遺産なども含めてこれらを補うことで魅力が倍増します。
坂のある街・百合丘
百合丘駅周辺は新百合ケ丘とは違い大型資本で大規模開発や変化はないです。小さなリノベーションなどで一変しそうです。地域の建築家の方に相談すると、いい答えが返ってくるかも知れません。
いくつかある中でその1つが坂がある点、この辺は新百合にはない面白さです。緩やかな坂や階段によって出現する小さな横丁や路地は新百合ケ丘にはない所です。
大通りに面した点在する複数のビルには多くのカルチャー教室があります。駅から5分以内圏にスポーツクラブ・ジム系やバレエ教室も複数集まっていて、住民のパワーやエネルギーを感じます。
将来的にバス路線、地下鉄も含め交通網も合わせて街は変わって行くことから、10年単位で街の特徴も変化しそうです。今の時点で、なかなか現実的にイメージしにくいとはいえ、確実に街は変化してます。
ここまでは大体男性目線です。忘れてはならないのは、しんゆり周辺を動かすパワー、働く男性層よりも子育て世代の女性の影響が強くなると思います。
しんゆりブランドって何?
今回、多くの人が新百合ケ丘のブランドだと、認めるものがどの位あるのかリサーチしました。しんゆりブランドを意識することで、新百合ケ丘周辺地域の特質が浮き彫りになり、地域への理解が深まると思えたからです。
地元以外のよその行事にわざわざ行きたくなる、そういうものはどんなものか?
もしあれば、それはもうブランドです。そういうものが、地域にあるとしたら、それは強力な地域ブランド。
リサーチすると、かわさき名産というくくりでは見えないことが、じょじょに見えてきました。同じ川崎市でも川崎区のブランドと麻生区のブランドとは相当違います。主要産業が違うため、生活のスタイルも違って当然なんですね。産業構造が違うと、地域のブランドも相当違ってきます。
麻生区の住民の何%くらいの人が、どのような年齢層の構成で、地元で働いているかで、地元の消費の質がわかります。衣食住の内、住以外で住んでいる地元に落とすお金は思ったほど多くないかも知れません。
消費活動が弱い場合は、地元の住民に地元の情報がうまく届いていない可能性が濃いです。広告やPRはしていても、新聞にも折込チラシはいっぱい入っていても。レストラン、飲食店は地元住民にもっと来店してもらわないと市場的に厳しいですね。
書店が沿線の各駅に1店舗未満になったように、お寿司屋さんも減ることは必須だったわけで、お寿司の需要、食生活の変化でもなく、社会の変化ですね。お寿司の需要はあります。需要に対応の仕方ですね。書店も同様ですね。